https://headachejournal.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/head.14428
飲酒後24時間以内では飲酒と片頭痛発作には有意な関連は見られず、さらに飲酒後24〜48時間では片頭痛発作が減少する可能性のあることが、「Headache: The Journal of Head and Face Pain」2022年11/12月号に掲載された研究で示された。
アルコールは片頭痛を誘発するものと長い間考えられているが、この関係性は結論に至っていない。そこで、英Curelator社のMarina Vives-Mestres氏らは、反復性片頭痛患者487例(平均42.4歳、女性86%)を対象に、飲酒が飲酒後2日目までの片頭痛発作の発現と関連しているかどうかを検討した(片頭痛発作5,913回、日誌の総日数4万165日)。片頭痛発作前の2日間の飲酒および摂取アルコール量を調べ、ロジスティックモデルを用いて飲酒後1日目および2日目の片頭痛発作とアルコールとの関係について評価した。
対象集団における1カ月の平均片頭痛日数は6.1日、片頭痛発作回数は3.7回であった。性別、年齢、平均飲酒量で調整後、飲酒をしない場合と比較して、飲酒後1日目では片頭痛発作に変化は見られなかったが(オッズ比1.01、95%信頼区間0.91~1.11、イベント発生率24.9%)、飲酒後2日目では片頭痛発作のオッズは低下していた(同0.75、0.68~0.82、21.5%)。摂取アルコール量との関連については、飲酒後1日目では片頭痛発作に有意な影響は見られなかったが、飲酒後2日目では、アルコール量が増えるごとに片頭痛発作のオッズは低下していた(同0.88、0.84~0.92)。
著者らは、「本研究により、アルコールが片頭痛発作の引き金として過大評価されている可能性が示唆された。今回の結果は、全ての片頭痛患者に飲酒を控えるよう推奨するものではない」と述べている。