認知症は転びやすい
認知症の人が気を付けたいことに、転倒による骨折があります。認知症でない人に比べて、2倍以上も転びやすいといわれています。
認知症は高齢者に多いということもありますが、転ぶ原因として、筋力の衰えや白内障などの視力への影響で転びやすい状態であること、認知機能の低下により注意が行き届かないこと、認知症治療で飲んでいる薬によっては急に立ち上がった時にふらつきやすいこと、ビタミンD不足、などがあげられます。
転倒による骨折
特に高齢者は骨粗鬆症を生じていることが多く、足の大きな骨である大腿骨を骨折してしまうことがあります。すると寝たきりになりやすく、認知機能の低下によりリハビリの内容が理解できず、認知症を悪化させるきっかけになります。この骨折は、その90%以上が転倒を原因としておこっています。つまり転倒の予防が、骨折や認知症の進行を防ぐことに繋がります。
転倒の原因
- 健康状態の悪化
- 視力の低下(白内障、近視)
- 薬の服用
- ふらつき
- 歩行能力や足の筋力低下
- ビタミンD不足など
転倒を防ぐには
転倒がおこりやすいのは、室内のベッド周辺です。つまずきやすい生活上の動線の見直しや、健康状態に応じた筋力維持などが対策となります。転倒の危険性が特に高い場合には、転倒時の衝撃を和らげるヒッププロテクターの装着も予防策の1つです。
また、認知症は、周囲の理解や協力も重要です。段差への注意を促したり、転倒予防の手助けをしましょう。
生活環境
- 1ー2cm程度の室内階段(敷居など)
- 滑りやすい床
- 履き物(スリッパ)
- つまずきやすい敷物(カーペットの端、ほころび)
- 電気器具コード類