椎骨動脈低形成について

椎骨動脈低形成について

脳血管1VA 脳血管2VA

 椎骨動脈は左右一本ずつありますが、必ずしも左右同じ太さではなく、一方が他方に比べてかなり細い場合があります。これを椎骨動脈低形成と言い、他方が太い場合多いです。
(約50%の方が左が優位(太く)、左右同じ方は全体の約25%程度です。*1)

BPAS(ビーパス)などで、外観上も動脈が細いのが確認出来れば、先天的(生まれつき)で心配する必要はありません。

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 しかし、万が一、太い側の椎骨動脈が詰まってしまった場合には、低形成側の椎骨動脈の血流には期待できないので、脳底動脈の血流不全は重篤になり、脳幹や小脳に重度の脳梗塞を形成してしまうことになります。

また、まれに両側椎骨動脈が細い場合がありますが、その場合は、後交通動脈が発達していて、内頚動脈側から脳底動脈への側副血行路が発達している場合が殆どです。
これを胎児型(fetal type)といって後方循環(椎骨-脳底動脈系)が前方循環からの血流を受けているタイプです。

【文献】
*1 Katsanos, A. H., Kosmidou, M., Kyritsis, A. P., & Giannopoulos, S. (2013). Is vertebral artery hypoplasia a predisposing factor for posterior circulation cerebral ischemic events? A comprehensive review. European Neurology, 70(1-2), 78–83. 

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