群発頭痛
群発頭痛は、群発地震のようにある期間に集中して頭痛が起こるところからつけられました。
いちど痛みがあらわれると、毎日のように頭痛を起こすようになります。痛みは一定期間(2週間~2ヵ月くらい)続きます。その後、しばらく時間がたった後(半年から2~3年)、再び同じような頭痛に見舞われます。頭痛の起こっている期間のことを「群発期」と呼んでいます。群発期以外の期間は頭痛はすっかり治まってしまいます。女性に多くみられる片頭痛に対して、群発頭痛は20~40歳代の男性が中心となり、女性の4~5倍にのぼるともいわれます。その理由ははっきりしていません。
群発頭痛の症状は、次のような特徴があります。
●どちらか片方の目の奥や周囲にあらわれ、上あごのあたりや頭の片側へと広がる激しい痛みで、
しばしば「きりで刺されるような」「目がえぐられるような」と表現されるような耐えられない
ほどの強さです。痛みのあまりの痛さに横になっていることもままらず、動き回ってしまいます。
●涙、鼻水、鼻づまり、結膜の充血、まぶたのむくみといった症状を伴う
●1日に1~2回起こり、十数分から1時間位続く。時には数時間におよぶ場合もあります
●毎日ほとんど同じ時刻に痛みだす
明け方に起こることが多く、強い痛みで目が覚めてしまいます。
●たいてい頭の同じ側に生じるが、まれに反対側に移動したり、両側にあらわれるケースもあります
●群発期間にはアルコールで誘発される
群発頭痛の起こる詳しい原因については、まだ明らかにされていませんが、片頭痛と同じように、頭部の血管の拡張が関わっていると考えられています。
群発頭痛の場合は、目の後ろを通っている血管が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥が痛みます。
治療
予防薬:抗てんかん薬、副腎皮質ホルモン、カルシウム拮抗薬、リチウム、エルゴタミン製剤など
アルコールは頭痛を誘発するので、発作期間中の飲酒は厳禁。また、狭心症治療薬のニトログリセリンなども血 管を拡げる作用があり、頭痛を誘発します。
発作中の治療法 :、酸素吸入や血管の腫れを抑えるスマトリプタン注射・点鼻薬などを使います。