central neurocytomaは比較的発生の稀な脳室内腫瘍で、若年成人に多く、発生のピークは20歳台にある。特徴的な画像所見(CT上、ほとんどの症例でisodensityまたはhighdensityを示す)および組織学的所見を有する。透明中隔やモンロー孔近傍に好発するため、閉塞性水頭症をきたしやすい。
画像的には、石灰化や多数の嚢胞を腫瘍内に認めたり、時に腫瘍内出血をきたす症例もあり、また出血により突然死した症例の報告もある。
一般的に全摘出により良好な予後が期待できるが、時に分裂像を多数認めるものがありatypical central neurocytomaとして治療上一般にcentral neurocytomaと区別が必要で、放射線治療が必要である。また髄液腔内播種を引き起こす症例もあるので注意が必要である。免疫組織化学的にはsynaptophysinが最も信頼できるマーカーであるが、時にGFAP陽性例もあり、なおその起源については議論のあるところである。
最近、Hu抗体が神経細胞の核を特異的に染めることが報告されており、新たな神経細胞のマーカーとして注目されている。
central neurocytoma
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