The Lund and Manheshter groups による前頭側頭型認知症(FTD)の臨床診断基準
1)行動障害
・潜行性の発症と緩徐な進行
・早期からの自己に対する関心の消失(自己の衛生や身なりの無視)
・早期からの社会に対する関心の消失(社会性の消失,万引きなどの軽犯罪)
・早期からの脱抑制症候(抑制の効かない性衝動,暴力行為,場にそぐわないふざけなど)
・精神の硬直化と柔軟性のなさ
・口唇傾向(食嗜好の変化,過食,喫煙や飲酒の過多など)
・常同行動と保続的行動(周遊行動,型にはまった行動,収集・化粧・身支度への儀式的没頭)
・使用行動(周囲にある道具への抑制のきかない探求)
・注意散漫,衝動性,維持困難
・早期からの病識の消失
2)感情障害
・抑うつ,不安,過度の感傷,希死念慮・執着観念,妄想,心気症,奇妙な自己身体への執着:
これらは早期にみられ,消えやすい
・感情面での無頓着さ(無関心,共感欠如など) ,無表情(不活発,自発性低下)
3)言語障害
・進行性の発語量の減少,常同言語,反響言語と保続,後期では無言症
除外診断的特徴
・突然の発症,痙攣,早期からの高度の健忘,空間失認や失行など