大脳白質病変とは
大脳白質病変は主に脳の虚血性変化です。
(虚血性変化:血の巡りが悪くなっていること)
・軽度なものは症状のない高齢者で加齢性変化として認められます。
・程度が強くなると、認知機能の低下やパーキンソニズムといった症状が生じ、脳梗塞を起こしやすくなります。
大脳白質病変の危険因子と治療
・高血圧(最大の因子) ~積極的な血圧管理が必要です。
・メタボリックシンドローム~生活習慣病の管理(糖尿病・高脂血症の管理、適度な運動)
・喫煙歴 ~禁煙しましょう(受動喫煙も気を付けて下さい)
・高度な脱水 ~十分に水分を取りましょう
(夜間の水分の取り過ぎは夜間頻尿になるため注意)
・加齢 ~ある一定の年齢になると誰でも少しは出現します。
深部皮質下白質病変(DSWMH)のグレード分類
Shinoharaら 2007(一部改変) | Fazekasら 1991 (参考) | |
グレード0 | なし。 | なし。 |
グレード1 | 直径3 mm未満の点状病変, または拡大血管周囲腔 |
点状高信号領域 |
グレード2 | 3 mm以上の斑状で散在性の皮質下 ~深部白質の病変 |
癒合性高信号領域 |
グレード3 | 境界不鮮明な融合傾向を示す皮質下 ~深部白質の病変 |
びまん性癒合性高信号領域 |
グレード4 | 融合して白質の大部分に広く分布する病変 |
Grade2以上は、要注意です。
メタボリックの検査、血圧管理(血圧手帳をつける)、年に一度の脳MRI・MRA・頚動脈エコーをお勧めします。
※まれに変性疾患(多発性硬化症など)や脳腫瘍などに移行することもあるので、定期的な検査をお勧めします。
参考文献
脳卒中ガイドライン・脳ドックガイドライン
2015年6月5日 改変
コメント
[…] 大脳白質について調べると、大脳白質病変という、パーキンソン病や脳梗塞を引き起こしやすくなる病気が出てきました。うーむ、それを知るとなおさら脳を大事にしたいもの。 […]