頭痛外来へようこそ
「たかが頭痛されど頭痛」
「たかが頭痛で病院に行かない」という人は多く、頭痛持ちの約9割はそのまま放置、もしくは市販薬を飲んで様子をみていると思われます。
しかし、その頭痛は放置して良いのでしょうか。
【放置してはいけない頭痛】
1.突然の強い頭痛
2.いつもと違う頭痛
3.朝起きて30分以内に起こる頭痛
4.長期間続く頭痛
5.めまい、嘔気を伴う頭痛
6.徐々に酷くなる頭痛
7.高熱を伴う頭痛
8.言葉の障害を伴う頭痛
9.もの忘れを伴う頭痛
10.頭痛の後に意識が悪くなる場合
11.見え方の異常を伴う頭痛
12.頭痛の後に手足の麻痺やしびれが出現する場合
一瞬の判断が、人生を左右することがあります。
くも膜下出血になっていても、歩いて外来に来る方がいます。
くも膜下出血は
1/3死亡、1/3後遺症、1/3社会復帰
といわれていますが、初回の破裂で治療をすると助かる場合があります。
(再破裂時すればするほど、重症化する)
「いつもと違うような頭痛、気になるようなら診察を受けて下さい」
この一言で助かる方もいます。
「頭痛は本人にしか分からない」
のですが、もし頭痛に苦しんでいる方がいれば
「一度は頭の検査をした方が良いですよ」
と声を掛けて下さい。
早期発見で助かる命もあります。
【慢性頭痛 – 長い期間の頭痛】
頭痛は大きく分けて二つのタイプがあります。
頭の中に何か病気がある場合(二次性頭痛)
脳の中にできものがある場合(脳腫瘍)
脳の血管が切れた場合(くも膜下出血・脳内出血)
脳の中にばい菌が入った場合(脳炎)
頭の中に何も病気がない場合(一次性頭痛)
片頭痛
群発性頭痛
筋緊張型頭痛
特に一次性頭痛といわれる頭痛は、
「頭のMRI・CTで異常ないから大丈夫」と言われて放置されることが多いです。
確かに命に関わることは少ないですが、
本人の生活や仕事の支障になることは多いです。
市販薬を飲んで様子をみている場合は、薬物乱用頭痛となり
頭痛薬を服用しないと頭痛になるという本末転倒な状況になることがあります。
頭痛が1週間以上長引く場合は、診察をお勧めします。