神経膠腫学における目覚ましい進歩
悪性グリオーマの治癒への道筋
Van Meir EG, Hadjipanayis CG, Norden AD, Shu H-K, Wen PY, Olson JJ: Exciting new advances in neuro-oncology: the avenue to a cure for malignant glioma. CA Cancer J Clin 60:166–93
悪性グリオーマは最も一般的な脳腫瘍であり、死に至る危険性の高いものである。それにもかかわらず、最も悪性度の高いグリオーマである膠芽腫患者の生存期間は、個人差はあるものの、標準治療の進歩により、この5年間で診断後の平均生存期間が10ヶ月から14ヶ月に改善された。治療方法の進歩については以下のようにまとめられる。
1. 手術 : 蛍光誘導切除術および神経内視鏡手術*1のようなより新しい手術法は、悪性グリオーマの管理に重要である。
2.放射線療法 : 放射線療法はこの数十年間における膠芽腫の治療において重要なものであり、放射線照射の焦点を合わせる精度や放射線の焦点を合わせる制度や放射線を脳腫瘍の不規則な輪郭に合わせたり、放射線強度を調整したりする技術、いわゆる画像誘導技術を用いて、腫瘍病変と隣接する正常組織への放射線量を最小限にする技術は大幅に改善された。
3.化学療法 : テモゾロミドは蛍光投与が可能なアルキル化剤で、放射線療法との同時併用投与、およびその後の維持療法で広く一般に使用されている。
・腫瘍の異常な増殖シグナル伝達経路の一つ以上を抑制する薬剤
・既存の治療薬に対する耐性を克服する薬剤
・膠芽腫が4つの分子腫に分類される(図)
・2020年までにグリオーマに関する、がん幹細胞や分子生物学的経路を標的とした新規の多剤併用療法が利用できるようになるであろう。
*1 神経内視鏡手術を使用した手術があるということで、学会で見たことがありますが、私見としては「まだ時期尚早」と思います。