GradeII 島回神経膠腫51症例の手術経験に基づいた進歩と限界

GradeII 島回神経膠腫51症例の手術経験に基づいた進歩と限界
Hugues Duffau,
目的:島回手術経験は殆ど報告がない。そのうえ、島回を含むGradeII神経膠腫の長期フォローアップされた外科研究もない。著者らが経験した51例の島回神経膠腫について報告する。機能的、病理学的結果に基づいて、この手術の進歩と限界について論じた。
方法:’97-’07の間に手術を行った51症例のGradeII島回神経膠腫(50例はけいれん発症)。術前、神経学的に正常であったのが45症例(88%)。全症例で術中皮質・白質刺激を行い16症例で覚醒下手術を行った。
結果:術直後には30症例(59%)で症状の悪化であったにも関わらず、2症例以外は術前レベル或いはそれ以上に戻った(96%)。術後のMRIで全摘又は亜全摘であったのは全症例の77%であった。10症例で2,3度目の手術を新たな神経症状の出現なしに行った。中央値4年で42症例(82%)が生存している。
結論:本論文はGrade II神経膠腫外科手術の最も大きい報告である。島回の病態生理をよりよく理解し、術中機能マッピングを行うことで、摘出率が向上しても後遺症を最小限にし、QOLを改善することさえ可能である。それ故、GradeII神経膠腫は外科的に摘出可能か考慮しなければならない。しかしながら、前有孔質や優位半球島回後半部の外科的摘出は特にチャレンジである。最初の切除が完全でない場合でも追加切除ができることが示唆された。
Duffau H: A personal consecutive series of surgically treated 51 cases of insular WHO Grade II glioma: advances and limitations. J Neurosurg. 2009 Apr;110(4):696-708.

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